News & Topicsでは、スーツの流行クラシック回帰と共に注目をされた 42ND ROYAL HIGHLAND Navy Collection を紐解くキーワードとして、1920年~1930年代の歴史とメンズファッションについてシリーズでご紹介いたします。
1回目の本日は、42ND ROYAL HIGHLAND Navy Collection のこだわりの原点、
『1920年ごろの古き良き英国靴と、その時代背景』についてご紹介いたします。
1920年代、改めてそれはどのような時代だったのでしょうか。
■第一次大戦後の好景気と、英国貴族文化の衰退・1920年代
1920年代は、第一次大戦の特需として、アメリカは好景気に沸き、娯楽はラジオや映画鑑賞・スポーツ観戦が中心の世界でした。
経済の中心は、ロンドンからウォール街へ移行し、一般市民の生活は大量生産・大量消費の生活様式が確立されていきます。
ファッション的には、スーツスタイルの原型ができ始めた時代で、全体的にはまだシルエットに抑揚はなく素朴な印象です。
現代におけるスーツの流行・クラシック回帰の原点とされるスタイルは、この後の1930年代に確立されたと言われています。
ちなみに、トラウザーズに折り目(クリース)が付き、裾の処理に折り返し(ダブルカフス)のものが頻出するようになったのは、この少し前のエドワーディアンスタイルが流行した1900年代初頭。
当時のカフリンクスはもっぱらハンドメイドで制作された上流階級のものでしたが、産業革命により大量生産が可能となり一般にも普及していった、とされています。
産業革命も二次の波が訪れるころ、WALKER & GUNN made in England のようなノーザンプトンシャーで上流階級の紳士たちの靴作り生業としていた多くのShoemakerが廃業の危機に陥りました。
産業革命の後は、大衆消費の影響とデザインの簡素化により簡単なパターンで流行を大量生産する既製品主流の時代に突入します。S , M , L のようなサイズの概念が定着していったのもこの頃。
手間ひまかけて職人たちの手作業により仕立てられるドレスシューズは、この大量生産される既製品の嵐に飲み込まれ、徐々にその影を潜めていきました。
英国では、戦間期に労働者階級が台頭し、貴族が経済的に逼迫して領地やカントリー・ハウスを手放し、使用人を削減せざるをえないという栄華を極めた時代に衰退の色が見え始める時代でもあります。
■時代背景を物語る、古き良き英国靴の機能美
軍需産業による好景気と貴族の衰退という歴史が動き始めた1920年代。
その時代の高級靴に見られるのは、細やかで規則正しく施された美しいディティールです。
馬車に乗るためのピッチドヒールや、朝露を弾くためのギンピングやパーフォレーションが機能性を重視して革靴に取り入れられていたのは、かつて栄華を極めスタイルに徹底的にこだわった貴族たちが存在していた1920時代までと言ってもよいでしょう。
42ND ROYAL HIGHLAND Navy Collection のドレスシューズをデザインする際は、古き良き英国靴のシルエットはもちろん、特にこの時代のギンピング(ギザ)や、パーフォレーション(穴飾り)に注目しました。
ただ、それらをデザインの中に取り入れただけでは、凛とした当時の英国らしさは再現できません。
そこで、0.1ミリ単位で調整ができるレーザーマシンを導入し、ハサミ断ちのような大味な仕上がりではなく、エッジが効いた緊張感のあるディティールが完成しました。
本来は大量生産を目的に取り入れる機械ですが、42ND ROYAL HIGHLAND Navy Collection のドレスシューズではビスポークの時代を彷彿とさせるエレガントなディティールを蘇らせ、その良さを多くのお客様へお届けしたいと考えた末に、こうした最先端技術を取り入れました。
品質だけでなく価格にもこだわる 42ND ROYAL HIGHLAND ならではのモノづくり。
これから入荷する新作コレクションでは、ぜひ履き心地だけでなく、細かなディティールにも靴作りに懸ける静かな情熱を感じていただければと思います。
次回は、『メンズファッションが確立された1930年代』にフォーカスしてお届けいたします。
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