" クラシック回帰 " という文字、よく見かけるようになりました。
実際なにを指すのか。
この場合のクラシックとは、特に英国を意識したものがほとんどで
これを現代風に解釈して楽しむのが、" クラシック回帰 " の気分です。
スーツやジャケットなら素材やラペルの幅・角度、ゴージラインの位置、
パンツならプリーツ入り、靴ならシルエットやデザインなど
国やカテゴリーを問わず名だたるブランドが、こぞって英国由来のアイテムを打ち出している
その流れを意識すると、いつものスタイリングが面白くなるはずです!
今回は、" クラシック回帰 " をテーマに、
いつもの ビジネス / 週末スタイル のクラスをワンランク上に押し上げてくれる、
普遍的かつ、本格的な英国靴をご紹介いたします。
1919年、英国はノーザンプトンに創業したWALKER & GUNN。 靴職人の家庭に生を受け、自身もまた優れた靴の作り手であった
フランク・ウォーカー氏がスコットランドの名家、ガン一族に援助を受け
貴族向けのビスポーク作りを開始したことが始まりです。 当時500社ほどの製靴工場がひしめいていたという靴作りの聖地、ノーザンプトン州都。 イングランドの中東部に位置する言わずと知れた商業都市。
現在でも、英国を代表する高級靴の製造業者が集中していることは、靴好きの紳士たちには周知のことでしょう。
19世紀初頭、貴族のためのビスポーク作りから、産業革命の機械化導入による量産型への変換期を迎え盛栄を極めた英国の靴作り。
やがてそれは第二次世界大戦の後、大量生産型の時代へ。
革新的且つ合理的な製法の登場の影に、伝統的な精神を守るウォーカー&ガンの靴作りは駆逐され、一時はその火を消す危機を迎えます。 しかし、現代のクラシカルな靴が再評価を受ける中、ウィリアムとアーサーという進取の気鋭に富んだ地元有志により、2009年、新生 WALKER & GUNN は再び歩みを進めることになります。
復活の名門、新生WALKER & GUNN
錆びない英国スタイルを貫いた、渾身のドレスシューズコレクション。
製法はグッドイヤーウェルテッド製法を採用しています。
アッパーには、イタリアはゾンタ社の高級カーフを。
キメ細かく、緻密な繊維構造で丹念になめされた極上の素材を、贅沢に採用しています。
たっぷりと油分を含ませた滑らかな革は、
手間をかけて磨き上げた時の艶は一際美しい輝きを放ちます。
アウトソールに採用した、J&F.Jバーカーのオークバークレザー。
オーク、つまり樫の木から抽出したタンニン剤(渋)を使い、
時間をかけじっくりとなめした革は、粘りが増し摩擦による磨り減りに強くなることから
レザーソールの材料として最適と呼ばれています。 驚くほどシェイプしたウェスト部分にもご注目を!
“ ロンドンウェスト ” と呼ばれ、複雑な足の形 とりわけ内側へカーブするフマズ部分に対し吸い付くようにフィットする隠れた意匠。
またウェルトとアウトソールを縫い合わせる 出し縫い をかける際、アッパーを傷つけることなくくびれた“ ロンドンウェスト ” へも正確に糸を通し縫い上げるという、職人の腕が試されるポイントです。 もちろん、英国の熟練職人の手によって、細かなピッチで美しく仕上げられています。
甲にあたりにくいという利点から WALKER & GUNN の創業当初に採用されていたハートシェイプタン(ベロ部分)や、
縫いの強度を上げる目的で取り入れていたトリプルステッチも、創業当初のものとして一部のドレスシューズに採用しています。
ダブルモンクストラップのみでの展開のスウェードレザーには、
世界的に有名な Charles F.Stead & Co タナリーの最高級レザーとされる
Repello Calf Suede を使用しています。
このスウェードは独特な深みのあるカラーで、きめが細かく柔らかい仕上げとなっており、汚れがつきにくい特長をもっています。
創業当初のブランドアイデンティティを踏襲しつつ、復刻とともに新たなエスプリを加え新生 WALKER & GUNN の顔とも呼べるクラシカルなモデルが揃います。
英国カントリーを体現する、名門のカントリーCollection
2012年秋からは、カントリーシューズ・ブーツのコレクションが加わり、 英国カントリーらしさを踏襲し、素材選びから製法までこだわりぬいたモデルが登場。
無骨でダイナミックな魅力を与えながら、古き良きカントリーシューズ・ブーツの佇まいを兼ね備えた1足に仕上げています。
WALKER & GUNN のカントリーコレクションは、ノルウェージャンウエルト製法で製作されています。 インソールに加工を施し、そのインソールとウェルト、アッパーをすくい縫いしたものを、本底へ出し縫いするという非常に手間のかかるもの。 仕上がりのステッチが無骨な印象を与えますが、それも防寒性、 耐久性のためにもたらされたノルウェージャンウエルト製法の機能美です。
カントリーコレクションには、アメリカ シカゴにあるHORWEEN社製のハンツマンレザーを使用しています。
HORWEEN社創業以来、昔と変わらぬ手法で作られ、狩猟用ブーツ、魚釣り用ブーツ、 銃猟用ブーツに用いられています。
アッパーレザーはザラザラで、仕上げ途中のような素朴さが魅力。
防水のためオイルとワックスが塗り込まれており、履くほどに革本来の持つ雰囲気を表現してくれる味わい深い素材です。
ソールには、100年以上の製造経験を持つ 英国Harboro Rubber社製のリッジウエイ / コマンドソールが使われています。
柔らかく擦り減りにくい、グリップ力に優れたソールです。
肉厚なハンツマンレザー、ボリュームのあるアッパーデザインとの相性も抜群!
本格的なもので揃えるのももちろんアリですが、
上級者ともなれば、少しモード感のあるものと、クラシックなもののコントラストをあえて楽しむ人もいます。
今回ご紹介した本格テイストの靴を、" クラシック回帰 " の気分にのせて、履きこなしてみてはいかがでしょうか!
発売中のLAST vol.11、ドレスシューズ名鑑2016に、WALKER & GUNN が掲載されています!
名作が網羅された1冊、どうぞお見逃しなく!
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